伝えるためのデザイン思考

商品やサービスで一番こだわるべきはその内容なのはもちろんなんですが、それを「伝える」ためには見た目も大切です。

あえて単純に見た目と言いましたが、デザインとは前回お伝えしたように誰かに何かを伝える技術です。

デザインとはある意味「言語」

水平線に半分隠れた太陽の写真があるとします。

この太陽が朝日なのか?夕日なのか? 温かいのか?涼しいのか? 明確に伝わる(伝えたいことを)のがデザインです。

「わぁ~キレイ! ん?朝日?夕日? どっちでもいいじゃん!キレイなら~」

これはアートです。

どう表現すれば読者やお客さんに自分が伝えたいことを伝えられるのか。

この伝えるということを意識することが 「デザイン思考」だと言えるんじゃないかなぁ、と考えたりしています。

少し前・・・と言っても10年以上前になると思いますが、インターネットで個人が商品(特にカタチのないデジタルコンテンツ)を販売するとき、プロっぽいきれいなサイトではダメだと言われていました。

プロっぽいと逆に怪しいみたいな・・・

ダサいけど素人が一生懸命せっせと作ったダサいサイト(ダサい2回言いました)

これが売れる条件の一つだったんです。

文字が七色でチカチカしてて、バックが鮮やかな黄緑色とか、なんとなくわかりますか?

今となってはまったくダメダメですよね。

当時は WordPressなんてものはなく、それどころかブログそのものが普及してなかったので、個人がホームページを作ろうとしたらホームページビルダーほぼ一択でした。

今見ると悲しいくらいダサいです(汗)

ただですね、こういった技術的な問題もありますが、これは単純に流行り廃りの問題だけではないと思うんですよね。

どういうことかというと、当時の販売者は当時のお客さんに対してどうすれば伝えたい事が伝わるのか、どうすれば効率よく伝えることができるのか、それを深く考えた結果が黄緑レインボーサイトだった・・・わけでないと思うんです。

「伝える」ことの重要性以上に見た目だけにこだわってしまった結果なのではないでしょうか。

伝えること、売れることよりも見た目(デザイン)にこだわる

これは愚です。

現在の私たちは伝えるため、売るために見た目(デザイン)にこだわっていくべきです。

潰れかけたサービスの売上をたった一週間で2倍に

今ではすっかり世間に認知されている Airbnb。

この Airbnb、2009年に始まったサービスなんですが、ほんの数年前までは誰も名前すら知らないどころか、実は倒産直前に近いサービスだったって知ってますか?

その Airbnbの売上をたった一週間で2倍にした方法があるんです。

知りたいですか? 知りたいですよね?

その方法とは・・・

部屋の写真を変えたんです。そう、これだけ。

それまでは値段が先にありきで、「この値段で泊まれる部屋はこの部屋かぁ・・」から「こんな部屋に泊まりたい!いくらなんだろう?」へと、お客さんの視点が変化したんだと思います。

それにはただ写りがイイ写真に置き換えるだけじゃダメ。

  • 窓から朝日が差し込む爽やかな部屋
  • 潮の香りが素敵に漂う落ち着いた部屋
  • 木のぬくもりに包まれた穏やかな部屋

そういったことをしっかりと「伝える」写真でなければ意味がありません。

Airbnbの創業者の中には何人か元デザイナーもいたようですが、さすがです。

優れたデザイン力を持つアップルのように、私たちが製品をデザインすることはなかなかむつかしいですが、Airbnbのようにその販売方法やプロセスをデザインすることはできます。

「デザイン思考」これからは常に意識していたいですね。

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